ベタニスのよくある質問に答えておこう
とりあえずベタニスが処方されたら確認しておくこと…。
□年齢は若すぎないか→生殖可能年齢に警告あり
□プロノンとタンボコールの併用はないか→禁忌薬飲んでないか
□肝・腎は元気か→25mgから
□食後か→寝る前は△
□服用開始後しばらく血圧計っておきますか→高齢者特に(肝腎低下・併用多しで血中濃度上がってそう)
とりあえずこんくらいでいいや~
ベタニスは半錠・粉砕・簡易懸濁は可能?
半錠 | 不可 | 徐放錠の為 |
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粉砕 | 不可 | 徐放錠の為 |
簡易懸濁 | 不可 | 徐放錠の為 |
「ベタニス50mg 0.5錠分1」は不可。
専門外だとベタニスが徐放錠ということを把握してないのでありえる処方。
まあ半錠ぐらいないイケそうでもなくはないけど、粉砕とかは多分ダメ。
ベタニスはOCAS技術を適用した徐放錠で、投与後初期の血中濃度の上昇を抑制することで副作用を出にくくしているようなところがあるようです。
ジェネリック作りにくそうです。
ベタニスは緑内障によくないのか?
新規作用機序の薬で、まだ歴史も浅くてはっきりしていないので調査中という感じでしょうか。まあ多分問題なさそうです。
海外の長期投与試験でベタニスによる緑内障の発症が見られたようで慎重投与に記載があるようです(追加臨床試験の結果待ち中)。
日本の長期投与試験では発症は見られず、ベタニスによる緑内障の悪化は認められていません。
重要な基本的注意
緑内障患者に本剤を投与する場合には、定期的な眼科的診察を行うこと。
まだベタニスの目への副作用の情報が確定していませんので、ベタニス服用中の緑内障患者さんは定期的に眼圧とか計ってください。通ってんだからできるでしょ?的なことですね。
ベタニス錠25mg 2錠分2 朝夕食後
ベタニスが1日2回で処方されている時がある。
理由は不明だがそのままでとのこと。
OCAS技術を適用した徐放錠なので半減期1日以上、Tmax4~5時間。
おそらく「夜になると効果が切れる感じがする→じゃあ2回に分けましょう」的な、
特に深い意味はなくベタニスを1日2回で処方していると考えられます。
ベタニス錠25mg | 110.5 |
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ベタニス錠50mg | 185.7 |
ベタニスの薬価的にも25mgを1日2回使うなよ的なオーラを感じる。
ベタニスは100mg投与してもよい?
「ベタニス錠50mg 2錠分1」ということですね。
まず添付文書的にNG。適宜増減なし。これは査定されるんじゃないか。
通常、成人にはミラベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与する。
実際はベタニス50mgでもベタニス100mgでも有効性に大差なし、
100mgでも有害事象増えませんでした的なことが書いてある。
ただ100mgだと50mg投与時と比較して用量比以上の暴露量増加が認められてるのでQT延長とかのリスク上がるかもしれないじゃん。増やして効果上がらないならいらないよね?ってことでしょう。
ベタニスとベシケアは併用可能?
重要な基本的注意
現時点では、過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用した際の安全性及び臨床効果が確認されていないため併用は避けることが望ましい。
日本ではまだ承認されてませんが、アメリカではベタニスとベシケア併用が承認されましたって書いてありましたね。
適応は同じですが、膀胱平滑筋に作用する受容体がβ3とM3で違うので、若干の上乗せ効果があるようです。24時間あたりの平均尿失禁回数が少し減るみたいです。
日本ではまだ併用療法が承認されてません(2018/05現在)ので基本的にベタニスとベシケアは併用不可です。しかし禁忌ではないので併用できないわけではありません。
ベタニスとアボルブは併用可能?
重要な基本的注意
現時点では、ステロイド合成・代謝系への作用を有する5α還元酵素阻害薬と併用した際の安全性及び臨床効果が確認されていないため併用は避けることが望ましい。
ハルナール、アボルブ、ベタニスを併用的なやつ。
3つ使いたいならハルナール、アボルブ、抗コリン薬にしとけって話ね。
しかし、抗コリン薬の尿閉リスクを考えるとベタニスにしときたいような時もあると思う。
これも禁忌ではないので併用できないわけではありません。
ベタニスを調べている皆様におすすめの本
尿意切迫感や、ちょろっと漏れるなどで悩んでる人の多い過活動膀胱。
病院に通っていても何だかイマイチと感じてる人も多いです。
薬局で相談されても正直知識がなくて、何も力になれていない。
薬剤師として何か患者さんの役に立ちたいと思う人はまずは一冊ガイドラインでも読んでおくべきかと思います。
ガイドラインを読んでおけば患者さんの話を断片的に聞いただけでも、どんな状況なのかが推測しやすくなり、薬歴の充実にもつながります。
内科で専門外の医師からの治療を受けている患者さんも数多くいます。
治療がうまくいっていない患者さんに、ガイドラインに沿った提案をすることで、何か役に立てるかもしれません。
何もしなければ何も得られません。なんでもいいから行動することが重要です。