エビスタとビビアントの違いは?

エビスタとビビアントの使い分けね。

併用禁忌薬ないし、併用注意薬も少ないし添付文書あんま見てなかったけど、

骨密度関連で質問されたのと、乳癌関連で気になる点があったので調べておこう。

主な違いとしては、

・効果の違い→骨折リスク高い人はビビアントで

・腎機能低下時の減量有無→エビスタは1日おきか?

・海外での乳癌予防適応有無→知らないとピンとこないことがある。

さて、ラロキシフェンとバゼドキシフェンの違い・使い分けについて書いておくか。

 

ビビアントの方が効果が高いとされている。

ビビアントは、骨折発生確率が高い患者に対して、治療効果がより高い傾向。

エビスタではその傾向が見られない。

エビスタに比べて、ビビアントでは※FRAX値が高い人にも効果がある。

※FRAX値…10年以内の骨折発生リスク。年齢体重骨折歴喫煙歴などから5%とか10%とかで出る。

治療開始時に椎体骨折(背骨潰れてる)が見られるような人では、ビビアントの方がいいらしい。

ビビアントのほうが骨折する確率が低いようです。

まあエビスタも元々背骨が潰れてないけど骨密度低めみたいな、閉経後女性に対して、新たに背骨が潰れる確率を減らす実績があります。腰が曲がるのを予防する感じの。

ビビアントの方が効果が高いようですが、実際はエビスタ飲んでる人のほうが多い感じがしますね。

エビスタのほうが、先に発売していた、使用実績も豊富、ジェネリックある、海外で乳癌予防適応あるなどの理由からでしょうか。

整形からのビビアントは増えた印象があります。結構な高齢者でずっと飲んでますってのはエビスタばっかりな印象。

エビスタの方が腎機能低下例で注意が必要かもしれない。

添付文書上では、両者とも慎重投与で同じ記載。

エビスタ:腎障害のある患者[安全性は確立していない。]

ビビアント:腎機能障害のある患者[安全性は確立していない。]

ある本では

エビスタ:GFR15~59で24-48時間に1回、15未満で48-72時間に1回

ビビアント:腎機能正常者と同じ

ビビアントは尿中への排泄は1%未満で、高度腎機能障害例で有害事象が見られない、20mgと40mgで安全性に大きな相違が見られないが、投与例が少ないので、販売後どうなるかわからないので注意。

エビスタは腎機能障害は腎機能正常に比較してAUCが約2.2倍、Cmaxが約1.4倍、t1/2も平均で1.7倍延長。1例(中等度腎障害)t1/2が161hと原因がよくわからないのがあったので注意と。

まあ両者とも通常量の倍でも血栓系の重篤な副作用発現率がかわらない、安全域が広いとされているためこの程度の添付文書の記載なのだと思われる。

ただエビスタの方では120mgのほうがむくみの副作用が若干多いようなので、注意は必要かと思われる。

SERMの服薬順守率低下要因は、血栓への不安、下肢の不快感/けいれん/浮腫などがある。腎機能低下などにより、若干過量なることで副作用が強まっている可能性はあるのではないかと思われる。

エビスタは海外で乳癌発症予防適応がある

日本ではラロキシフェンを乳癌予防目的で使うことは推奨されてません。

日本人女性の乳癌発症リスクモデルが確立していないからだそうです。

まあでも何となく処方多い一つの要因だと思われます。

ラロキシフェン適応(アメリカ)

・閉経後の女性における骨粗鬆症の治療と予防

骨粗鬆症を有する閉経後女性の浸潤性乳がんのリスク低減

・浸潤性乳癌のリスクが高い閉経後女性における浸潤性乳癌リスクの低減

あとは、発症リスク0にするわけではないので、定期的に検査せよ。

浸潤性乳癌の治療または再発のリスクの軽減のために適応されていない。

こんな感じのことが書かれている。

ビビアントに関しては、調べた限りでは乳癌予防の効果はなさそう。

また、添付文書には書かれていないがエビスタとアロマターゼ阻害剤の併用はあまりよくないようだ。

タモキシフェンとアナストロゾールの併用で有害事象が増加し,しかもアナストロゾールの乳癌再発抑制効果を阻害するような結果が出ているようだ。

ここでエビスタがタモキシフェンと似たような作用であることを知らないとこの併用に気付くことができない。

そして日本だとエビスタが閉経後骨粗鬆症にしか適応がないため、

エビスタとノルバデックスが併用といういまいちよくわからない状況が発生する。

調べた限りラロキシフェンとタモキシフェンを併用したデータはない。

しかし、日本だと添付文書上は問題ないことになる。