ジェネリック医薬品の安全性と、効かないって人について
後発医薬品に抵抗ある?
ない 70%
ある 30%
ネット上のアンケートの結果がこのくらいで、まあ現実でもこんな感じ。
最終的には90%を目指しているのではないかと思う。
残る10%になりうる人にジェネリックをすすめるのはマジでめんどい。
「後発医薬品調剤体制加算」がなかったら絶対やってないと思うと、うまいフィーの付け方なんだなと思います。
サラリーマン薬剤師の給料には関係ないですがね…
まぁ後発医薬品の安全性どうなの?とか、効かないとか言ってる人に向けて書いておこう。ジェネリック医薬品を簡単に説明とかわかりやすくって結構難しいよね…
ジェネリックは臨床試験してないので副作用が不安
TOEIC700点以上の人はこの授業来なくても単位あげますよー
英語の授業で最初にこんなことを言われた。
ある程度実力が証明されているので、無駄だから来なくていいということ。
医薬品でも同じようなことが言えてですね、
発売後10年ぐらい経過している医薬品は、臨床試験免除ですー
10年も市場に出回っていれば効果も副作用も情報が蓄積されている。
臨床試験の代わりとなるのが、生物学的同等性試験。
人に飲ませたときの血中濃度の推移をみるやつ。
どのくらいでピークになって、どのくらいで体から抜けるかみたいなこと。
有効成分以外の添加物等が違っても、同じように吸収されて出ていくようになっていれば、実際に飲んだ時の有効性や安全性も同じであると考えるのが基本で、これが世界標準だそう。
ジェネリックに臨床試験を求めるということは、TOEIC700点取れる人に無駄な英語の授業を受けさせるようなものだと思いますね。
ジェネリックの効き目が悪い・効かない
オルメテック錠→オルメテックOD錠(降圧剤)
リリカカプセル→リリカOD錠(ビリビリ・ジンジンのCMのやつ)
最近変更になったけどさ、効かないとか副作用出たとか聞いたことないでしょ?
この変更もジェネリックと同じ基準で変更されている。
臨床試験ではなく、生物学的同等性。添加物の変更もある。
同じ基準で変更されているのに、先発→先発だとなぜ効き目が悪いとか副作用が出たとか言い出さないのか?
A:「ジェネリック」のイメージで言ってるだけ
先発医薬品を服用中に副作用っぽいことが起きると、薬のせいか?体調のせいか?病気のせいか?とかいろいろ考えるはずがさ、ジェネリック飲んでると「ジェネリックで副作用が出たーーー!二度とジェネリック飲まない!」ってなるんだよね。
こうなってる人に説得する時間割くの無駄だし、文句言われるのめんどくさいし、先発品変更不可で処方するでしょ。
あとリリカのジェネリックが出たときの反応はだいたい予測ができる。
・リリカの効果がいまいちという人が結構いる印象
→ジェネリック効かない先発に戻せ。
・リリカは腎機能で調節必要
→高齢腎機能低下者に通常量開始でめまい。ジェネリックのせいだ先発に戻せ。
・リリカは食事の影響結構受ける
→腎機能低下+食べないで服用めまい。ジェネリックのせいだ先発に戻せ。
なんというか、薬の効果と副作用の期待値は、事前に情報を与えてコントロールしておくべきかと思われますね。
薬局がジェネリックをすすめてくるのは儲かるからでしょ?
まあたしかに「後発医薬品調剤体制加算」というものがあって、
国が点数を付けてて薬局は儲かりますね。
しかしすすめてるのはだいたいサラリーマン薬剤師で、
開業医とかと違って、会社が儲かったからと言ってたいして給料かわんねーから。
なんで国が薬局にフィー付けてるかというと、
薬剤師をジェネリック肯定派にして、ジェネリック大丈夫ですよって言わせるためでしょう。ものは問題ないけどイメージが悪いんで、薬の専門家に大丈夫ですよって言ってもらうのが重要。
ジェネリックにネガティブなイメージの人も減ってきた感じがするし、うまいフィーの付け方だったのかなと思います。
医療費=受診×単価
「受診」はフリーアクセスなのでコントロール不可。年寄りが増えて受診は増える。
「単価」は診療報酬改定で国がコントロール可能。しかし薬剤費の伸びが医療の高度化によりコントロールしにくい。50万とか100万の薬を後期高齢者が14000円で貰っていくからね。医療費は無限ではないのでなるべく同じパイの中で分配させなければならない。
強制的にジェネリックを使わせても問題ないのですが、人権侵害じゃーみたいな人がでてくるので、情報提供して、納得して使ってもらうという回りくどい方法をとる必要がある。
なんとなくお薬の方向性としては、ジェネリックがあるような評価の定まった薬は製造原価に近づけていって、まだ治療法のない病気の薬を開発すると儲かるようになっている。