緑内障に抗コリン禁忌の疑義照会について

フスコデ配合錠      6錠

ムコソルバン錠15mg  3錠

分3  朝昼夕食後   5日分

緑内障の目薬を使っている人にフスコデが処方された。

同じ成分でも市販だと「相談すること」だが、

処方薬だと「禁忌(投与しないこと)」。

保険調剤においては、

「疑義照会をして、記録を残しておく」ということが重要。

大丈夫なのはわかってるので記録を残さないというのは無意味。

いやでも緑内障目薬を処方しているところからのプリビナ点眼とかミドリンとかセルシンに疑義照会はしないわ。

個別指導において緑内障禁忌で指摘されているのは、

アイトロール、マドパー、ランドセンマイスリーバップフォーなど、

しばらく飲み続けるであろうものが多いのではないかと思う。

PL配合顆粒やフスコデなどはOTCでは慎重投与レベル。

しかし添付文書に書かれている以上はやらねばならぬ。

 

緑内障禁忌の疑義照会には2種類ある。

① 緑内障の目薬を処方している医師に疑義照会

② フスコデを処方した医師に疑義照会

①の眼科に聞くの方が良い。

②だと使えるのに使えないことになりがち。

緑内障の目薬を処方している医師に疑義照会

いつも来ている人には、事前に大丈夫かどうか確認しておきたい。

電話したら休診日だった、大きめの病院で問い合わせが手間なところだったなどよくある。

こんな感じの紙を手帳に貼ってくれているとありがたい。

禁忌薬剤 □有 □無

□抗ヒスタミン

□硝酸薬

ステロイド

ベンゾジアゼピン

風邪薬飲んじゃダメとか先生から言われたことあります?って聞いても、

「何も言われてない」「覚えてない」人がほとんど。

・説明しなくても問題にならない

緑内障禁忌薬剤を投与しても問題ないと言い切れない

といった背景が推定される。

②フスコデを処方した医師に疑義照会

・んじゃメジコンに変えといてー

・フスコデカットでー

この問い合わせにはあまり意味がない。

「眼科にかかってんなら大丈夫だろ」と思っても、

まあ薬局から問い合わせ来たし添付文書上禁忌だし替えとくかレベル。

薬剤師側の責任逃れや手間削減の為の疑義照会。

問い合わせしやすい門前からの処方の時にやりがち。まあやるけど。

パブロン緑内障の人に売る時と、疑義照会できない時は?

疑義照会できない夜間とか休日だと、

仕方なく聞き取りだけで調剤することはあります。

まあパブロン緑内障の目薬使ってる人に売るのと同じっすね。

パブロン×緑内障は、「してはいけないこと」ではなく「相談すること」。

隅角が閉塞してるダメなやつかどうか判断して売っていいんですね薬剤師の責任で。

どうやって隅角閉塞かどうか判断する?

・眼科の先生から飲んじゃダメと言われている薬ありますか?

白内障の手術はしました?

まあ眼科にかかっている時点で、閉塞だった人もレーザー手術や白内障手術で対応済みだと思うので3-4日ぐらいのパブロンは大丈夫でしょう。

白内障手術って視力改善目的かと思ってたけど、緑内障発作予防目的でもやるらしいよ。

未治療の人を見抜くのは無理。

高齢、女性、遠視、小柄な体格」まあこれが典型的な患者像らしいです。

高齢で病院行ってない系の人には何でも注意っすね。

医療用添付文書の緑内障禁忌の表現バラバラじゃね?

まず「緑内障」の種類ね。

原発放隅緑内障 正常眼圧も・点眼治療
原発塞隅緑内障 レーザー治療・白内障手術
続発緑内障 ステロイドとかブドウ膜炎で
小児緑内障 生まれつきな感じの

添付文書に「緑内障」って書いてあっても実際は「閉塞隅角緑内障」のこと。

なんで統一しないのかは知らない。改定するのめんどくさいからかな?

隅角というのは、眼の中にある水が出ていく排水溝のある場所。

開放隅角の人は禁忌なし、隅角閉塞の人でも治療済みなら急性発作の心配なし。

とりあえず調べた奴だけ緑内障禁忌の表現を書いておこう。

緑内障 PL配合顆粒/プスコパン/フスコデ/ポララミン/プレドニン/サノレックス/リスモダン
急性狭隅角緑内障 マイスリー/レンドルミン/セルシン/ルネスタ
閉塞隅角緑内障 アイトロール/マドパー/バップフォー/ベシケア/スピリーバ/ニトロペン舌下/ウリトス/ストラテラ/プリビナ点眼
眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障 トビエース
コントロール不良の閉塞隅角緑内障 サインバルタ
狭隅角緑内障 ディレグラ/リズミック
緑内障及び狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因 ミドリンP/日点アトロピン点眼液