カリウムが下がってしまう高血圧?(過去問)
低カリウム血症を示すのはどれか。2つ選べ。(国家試験の過去問)
a 褐色細胞腫
b 糖尿病性腎症
c 腎実質性高血圧
d 腎血管性高血圧
e 原発性アルドステロン症
高血圧の分類
高血圧の原因は9割本態性高血圧で、単一の原因は見つけることができない。
残りの1割は二次性高血圧といって、なんか原因がある。
褐色細胞腫と原発性アルドステロン症は副腎、糖尿病性腎症は腎実質性となりますね。
褐色細胞腫と原発性アルドステロン症の違い
原発性アルドステロン症は副腎皮質の球状層に腫瘍などがあってそこからアルドステロンが過剰分泌することで、高血圧や低カリウム血症などをきたす。
褐色細胞腫は主に副腎髄質に腫瘍があり、そこからカテコラミンが出るため高血圧、頭痛などが起こる。
アルドステロンの作用
Naイオンと水の再吸収を行い、Kイオンの排泄を増加させる。
尿細管側のNaチャネルの発現を増加させて、Naイオンを細胞内へ移行させる。
血管側ではNa-K-ATPaseの発現を増加させて、血管側にNaイオンを移行させ、細胞内にKイオンを移行させる。
腎血管性高血圧とは?
腎動脈の狭窄により、腎血流が低下すると、レニンの過剰分泌が生じる。
高レニン、高アルドステロンを生じる病態の為、低K血症、代謝性アルカローシスを生ずる。
レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系
レニンは肝臓で合成されたアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変換する酵素として作用する。
アンジオテンシン変換酵素は肺血管内皮に存在し、ATⅠをATⅡに変換する。
ATⅡは血管平滑筋の収縮などそれ自体が強い血圧上昇作用を有すると同時に、副腎皮質からのアルドステロン分泌を促進する。
2つ選べと言われると原発性アルドステロン症と腎血管性高血圧かな。