ラミシールとネイリンカプセルの違いは?

製造販売元/佐藤製薬株式会社
販売提携/エーザイ株式会社

ホスラブコナゾールはエーザイが作って、別の目的で開発を進めていましたがダメだった。ボツにするより爪白癬なら適応取れるかなと思いまして試験してみました。といった感じでしょうか。

佐藤製薬はルコナックのついでに宣伝できるので相乗効果がありそうだ。

さて、テルビナフィンとネイリンカプセルの違いについてメモっておこう。

 

ネイリンカプセルは投与期間が決まっている(適宜増減記載なし)

  爪白癬に対する用法用量
ネイリンカプセル 1日1回1カプセル 12週間
テルビナフィン 1日1回食後(期間は記載なし)

爪白癬を内服で治療する場合は、今までの実績から言ってテルビナフィンが第一選択なのは変わりないだろう。ネイリンをどこで使うかと考えると、内服期間の短さ。

テルビナフィンを爪白癬で服用する場合、半年~1年かかると説明される。

すると、たかが爪でそんな飲むのか?そもそも爪で飲み薬?といった疑問が浮かぶ人がいるだろう。そして1ヶ月飲んで効かなかったし、通うのめんどくさいから止めよう。というタイプがいる。

ちゃんと飲まなそうだし、言うこと聞かなそうだが、要治療だな。病院に来ない人よりはマシ。と思う人に、本当は1年飲んで欲しいが3か月でいい薬があるのでどうか?と期間を決めて言える使い方はあると思う。ただ、投与期間中の12週間では効果が見えないようなので説明が必要であろう。見せて検査するだけの為に、そういった人がその後来院してくれるかはわからないが。

ネイリンカプセルのほうが、今のところ禁忌が少ない

  禁忌
ネイリンカプセル 妊婦又は妊娠している可能性のある患者
テルビナフィン 重篤な肝障害/汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等の血液障害のある患者

ネイリンカプセルは他の国で発売されていないようだし、効果も副作用もまだ評価が定まっているとは言えないだろう。

効果に関しては、今のところラミシール>アゾール系(イトラコナゾール)だと思うので、 ネイリンを積極的に使う理由はない。

副作用に関しては、ラミシールのほうが添付文書上怖い印象を受けるので、それに伴う服用継続への影響はあると思われる。しかし、実際は副作用が多いと感じるほどではない。飲んでる薬を言えない言わない手帳も持ってない、病院全然行かないようなタイプに気を付けて使えば問題ない。

副作用が書いてある以上気になって仕方ない、身内や知り合いで薬で何かあったというタイプの人には、ネイリンを使ってもいいかもしれない。

ネイリンはCYP3Aを阻害、ラミシールはCYP2D6を阻害

ネイリンの阻害作用はそんなに強くなさそうだ。パルスで400mg飲むわけではなく100mg連日だし。中等度の肝障害+CYP3Aによって代謝される薬、2つぐらい条件が重なった時には少し注意しておこう。

ラミシールもそんなに強くなさそうだが、併用によるトラマール/トラムセットの効果低下、タモキシフェンの効果低下については何となく気にしておこうかな。