前立腺肥大の人が飲める市販の風邪薬は？

前立腺肥大…私は昔、駅のトイレの小便器の床がいつもビチョビチョな理由がわからなかった。若い私には、どう考えても床に小便を垂らしてしまうという状況が推測できなかった。

しかし今ならわかる。あれは前立腺肥大症の症状で尿のキレが悪く、だらだらと垂らしてしまうからだ。酔っぱらったおじさんが小便器の前でだらだら小便を垂らしているのを目撃して確信に変わった。

そんな思い出はどうでもいいので風邪薬について書きます。

市販の風邪薬の9割以上には、鼻水を抑える成分が入っている。その鼻水を抑える成分は抗コリン作用を持つ。その作用は小便を出す筋肉の力を弱めてしまう。もともと尿が出にくいなどの症状がある人はもっと出にくくなってしまう可能性がある。

いきんでも、たらたらとしか出ない。

尿意はあるが、排尿できずに下腹部が膨らんできた。

こうなると病院で管を入れて出してもらうしかない。

抗コリン作用（排尿筋収縮力を低下）のある抗ヒスタミン剤、あと一応コデイン。

αアドレナリン受容体刺激作用（尿道抵抗を増大）のあるエフェドリンなど。

安全性を最優先に考えると、ほぼすべての風邪薬に入っているこの2種類が含まれていないものを選択する必要がある。

鼻水には効かないけど、鼻水はできるだけ出したほうが早く治ると思ってます。どうしてもというならアレ〇ラ。咳はマスクしてトローチでも舐めて。

のどの痛み、咳、鼻水といろいろ症状あるときはだいたいウイルスの風邪なので1週間ぐらいで治るでしょう。咳鼻水なくて、ノドだけ痛くて熱あって、ロキソニンもいまいちというなら受診がおすすめです。

咳止めのデキストロメトルファンなら慎重投与に「前立腺肥大による排尿障害」の記載なし。セチルピリジニウムも入っているので咽頭炎扁桃炎にも効果が期待できますね。

いやいいんですけど、アセトアミノフェン1回150mgって効く気がしないっすー。それならタイレノールで1回300mg飲みます。

100%ではない。PL配合顆粒は数十年前から前立腺肥大の人に投与され続けてきたはず。おそらく病院に行くレベルの尿閉は、前立腺肥大による下部尿路閉塞が強い+PL配合顆粒+アルコール多量摂取などなど複数の要因が重なってのことだろう。あと病院嫌いの人達ね…ドラッグストアで言われてもみたいな症状の人達ね…

まあ風邪の治療にPL配合顆粒が必須ではないという点で、わざわざ尿閉リスクのある薬を服用する必要はないと考える。しかし、市販になったパイロンPL顆粒では、排尿困難が「相談すること」レベルになっている。医療用の8割量だからかもしれないが、実際のリスクとしてはその程度ということですかね。