カルタンと炭カル錠の違い

カルタンも炭カル錠も沈降炭酸カルシウム。何が違うのか?

カルタンと炭カル錠は適応が違う。

  効能又は効果
カルタン 保存期及び透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善
炭カル錠 胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)における制酸作用と症状の改善

 

昔はリン結合剤としてアルミニウム製剤を使っていた。しかし、アルミニウムの体内蓄積性に伴う毒性により使用が禁止された。代わりに炭酸カルシウムを使い始めた。粉しかないので水分制限された透析患者にとって飲みにくく、コンプライアンス上問題があった。

そこで医療現場の要望と適正使用の観点からカルタン錠500で適応とって販売し始めた。炭カル錠は散剤しかないと飲みにくいので開発しましたと書いてある。

同じ成分なのでカルタン錠から炭カル錠に変更できますよね?

変更できないことになってる。

間違えて変更してしまっても成分は同じですけどね。

炭カル錠500mgが沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」に変更されて入力されています。気付けますか?

炭カル錠の在庫がない状況で処方され、沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」ならあると思って事務の人が入力してしまった。知らないと絶対気付けないやつ。

 

多分半分以上の人が気付けないかもしれない。

カルタンOD錠500mgは 沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」に変更していいですか?

カルタンODは水分制限のある透析患者のコンプライアンス向上を目的として販売されている。あえてカルタンODで処方されている場合、ジェネリック希望だからといって勝手に変更してしまうとコンプライアンスに影響が出てしまう可能性がある。

カルタンは食直前や食事中ではダメか? 

通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。

カルタンの添付文書が食直後なので、薬剤師的には食直後にしておきたい。何も考えずに疑義照会しておくのが正しい仕事になるのだろう。やれやれ。

実際は、食直前や食事中の時もある。

カルタンは食事中のPを吸着し、腸管吸収を阻害する。食直前~食事中~食直後なら効果出ると思うけどな~

胃酸で溶解してCaイオンになってリンと吸着ということを考えると、食直前だとCaが上がりやすいかもしれない。PPI入ってると胃内pH高くなり、カルタンの効果出にくいので別なものにした方がいい時もある。まぁPとCaの様子を見ながらということで。

カルタンの上限は?

通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

 適宜増減があるので、カルタン500は1日6錠を超えてもよい。

カルタンはPを下げ、Caを上げる。Ca負荷を避けるためには1日3gまでが望ましい。

PPI服用してると6錠だと効かないかもしれない。9錠ぐらいなら見たことある。

カルタン安いからなるべくカルタンですませて欲しい。