シュアポスト~レパグリニドを調剤する時に思い浮かぶこと
一包化可能ですか?
あくまでも問題になるのは硬さらしい。仕方ないなら分包すればいいのでは。
取扱い上の注意
本剤は吸湿により硬度が低下するため防湿性のPTPを使用している。使用直前にPTPから取り出すよう注意すること。
添付文書に直前に取り出すことと書いてあるのでちょっとやりにくいけども。
試験の種類 | 保存条件 | 保存形態 | 保存期間 | 結果 |
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温度 | 50℃ | ガラス容器(密栓) | 3ヵ月 | 錠0.25㎎: 変化なし |
錠0.5㎎ : 1ヵ月で性状(色)がわずかに変化 | ||||
湿度 | 30℃、75%RH | ガラス瓶(開栓) | 3ヵ月 | 1日で硬度が低下 |
光 | キセノンランプ | シャーレ | 120万lx・hr | 変化なし |
メーカーよくある質問にはこの表が載っている。錠剤が柔らかくなることと、色がかわるかもしれませんということは言っておくべきかと。そもそも一包化が必要な状態の人に飲ませたくないという雰囲気は感じる。低血糖になりやすそうだから。
シュアポストは透析患者に使用可能か?
胆汁排泄型の速効型インスリン分泌促進剤である。投与可能ではあるが、用法用量の設定は行っていない。使ってもいいけど、慎重に投与してくださいということ。
慎重投与
重度の腎機能障害のある患者〔血中濃度が上昇し低血糖を起こすおそれがある(「薬物動態」の項参照)。なお、国内では透析を必要とする重度の腎機能障害のある患者への投与経験はない。〕
って添付文書に書いてあると、調剤しにくい。しかし、グリニド薬を使いたい場合、スターシスは禁忌だし、グルファストも腎排泄で半減期伸びるから使いにくそうだし、シュアポストが一番使いやすそう。
シュアポストとプラビックス(クロピドグレル)は禁忌じゃないの?
カナダで禁忌になったという話があったが、日本では併用注意。これは、日本の上限量が1日3mgまでと低用量だからだろう。
アメリカ添付文書でも禁忌になっていない。併用を避けることと書いてあるが、する場合は最大4mgを超えないこととされている。まずアメリカなどでは、通常の開始容量が1mg/回のときもあるようで、16mg/日が上限。
併用注意(クロピドグレル:Japan)
機序・危険因子
CYP2C8阻害作用により、レパグリニドの代謝が抑制されると考えられている。併用により、レパグリニドの血中濃度が増加したとの報告がある
CYP3A4のレパグリニドの代謝への寄与は小さいが、CYP2C8が阻害された場合、相対的に寄与が高まる可能性がある。
添付文書によると、クロピドグレル1日目300mg、2~3日目に75mg投与の1日目と3日目にシュアポスト0.25mgを服用させた際に、シュアポスト単独投与と比べて
AUC | Cmax | T1/2 | |
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1日目 | 5.1倍 | 2.5倍 | 1.4倍 |
3日目 | 3.9倍 | 2.0倍 | 1.2倍 |
こんな感じになる。2~3倍効いてると考えよう。