1回1箱しか売れない鎮痛剤
~お客さんがナロンエース84錠入りを3つレジに持ってきた~
田中「ピッ。ピー。ん?1回1個?お客様申し訳ございません、この薬は1回1箱までの販売となっておりまして。」
お客さん「ん?あ~はい」
~数時間後~
お客さん「っナロンエース」
レジ「ピッ。1500円です。」
~目次~
濫用等のおそれのある医薬品
田中「あれ?あのお客さんまた来てる。何でナロンエースばっかり買うんですかね?」
鈴木「あ~あれは「ブロムワレリル尿素」に依存している。アリルイソプロピルアセチル尿素よりも効いてる感が強いんだと思う。」
田中「ふう~ん。太宰治が自殺に使っていたんですね。なんでそんな成分が市販でまだ売ってるんですか?」
鈴木「おそらく価格や効果から相対的にナロンを選ぶ人の割合が少なく、販売側も販売制限かけたりしてるので、そこまで世論的に問題とされていないからではないかな?」
田中「確かにデパス処方してもらった方が安そう」
鈴木「販売中止にしたとしても別の薬に依存していくだけだからな。根本的な解決にはならん。」
田中「難しいっすね…。販売側はやれることやるしかないっすね。」
薬剤師としてやれることはないか?
田中「そういう人ってどうにかできないんですかね?」
鈴木「まあ昔、数年にわたって注意喚起し続けてみたんだが何も変わらなかったな。もう売れませんって言ったら別の薬買い始めちゃったし。」
田中「無駄でしたね。」
鈴木「そうだな…。店全体で売らないようにしても別なところで買うだけだし、責任の所在を流してるだけなんだよなあ。それなら様子見ながら売り続けてチャンスをうかがった方がいいと思ってはいるよ。」
田中「ふう~ん。」