今年はこれが出題されるのではないか?①ホメピゾール
【97ー135改変】
メタノール中毒患者に対する治療方法として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 血液透析
2 ホメピゾール投与
3 炭酸水素ナトリウム投与
4 活性炭投与
5 葉酸投与
答えは4の活性炭
何が新しいかというと今まではメタノールの解毒と言えばエタノールだったが、2014年にホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」というものが薬価収載され、これがメタノール中毒に対し使われることが増えていくと推定されます。
〇 メタノール中毒に対する血液透析
メタノールは分子量小さいし、蛋白結合率も0だし、透析で除去できるでしょう。
ホメピゾールとの併用もします。
〇 メタノール中毒に対するホメピゾール
メタノールは肝臓にて、ホルムアルデヒド→蟻酸→二酸化炭素という流れで酸化される。
メタノール→ホルムアルデヒドに酸化されるときの、アルコールデヒドロゲナーゼを阻害することで中毒を引き起こす毒性代謝物の生成を阻害する。
メタノールを未変化体のまま尿中や呼気中に排泄させることで、蟻酸による中毒症状の発症を抑制することが期待される。
〇 メタノール中毒に対する炭酸水素ナトリウム
蟻酸の増加による代謝性アシドーシスに使う。
酸が増えてるのでアルカリで中和。
× メタノール中毒に対する活性炭
実際は何飲んだかわかるまで時間かかるからとりあえず使うのでは?
活性炭は抗うつ薬とかのODに使うと思うが、リチウムは吸着しない。
〇 メタノール中毒に対する葉酸
葉酸欠乏状態だと解毒が遅い為、中毒症状が表れやすい。
葉酸を投与して少しでも解毒を促進しようということか。
葉酸欠乏リスクが高い人は、妊婦、高齢者、アル中、食事の質が悪いなど。
〇 メタノール中毒に対するエタノール
メタノールからホルムアルデヒドに酸化されるときのアルコールデヒドロゲナーゼ(アルコール脱水素酵素)に対する親和性がエタノールの方が高い。
エタノールの方が10~20倍高いので、メタノール→ホルムアルデヒドの反応を遅らせることができる。
そして蟻酸の生成も阻害できるとされている。